主要人物







錬金術師 フィート・ウェルデン


とある寒村出身の青年。

幼い頃に起きた「魔王戦争」によって両親を失う。

伯父に引き取られ王都へと渡り、生きるために冒険者となる。

錬金術師である母に憧れ、自らもその道へ。

常に金欠気味のため、相棒のアレッサに世話をされている事実上のヒモ。








魔女 アレッサ・ウェルデン


世界を危機に陥れた魔王戦争によって多くの同胞を失いつつも戦い抜いた魔女の生き残りの一人。

ありとあらゆる魔法に精通し、古の知識さえ持つ。

ある事情によって魔女という理由から迫害されるも、フィートに救われ、行動をともにするようになる。

だらしのないフィートの世話で振り回されている。









使い魔 ステラ


アレッサとフィートによって呼び出された四足獣の使い魔。

愛玩動物とも見紛う愛らしい姿をしているが、実際のところは口の悪いメスガキ。

人語のみならずあらゆる言語を解す頭脳の持ち主でもある。

ベリーが大好き。

Illustrator:よだれ


冒険者ギルド

・ギルドマスター

フィートたちの登録されている冒険者ギルドの長。世にも珍しきエルフ族の一人。

エルフ族でありながらも人里に住み、日夜冒険者たちのサポートをしている。

大昔から魔女とともに生きていたため建国時から王都にいたとかいなかったとか。

かつてのアレッサを知る貴重な人物でもある。

・フレッド・ブライ

冒険者ギルド第三支部の男性職員。冒険者用受付窓口の担当者。

フィートとは冒険者登録をした頃からの長い付き合いがあり、アレッサとも顔見知り。

気さくで人懐っこい性格をしており、実は女性冒険者から密かに人気だったりする。ナイスミドル。


異界の森

・守護者 ナーガ

異界の森を守る守護者の一柱。

魔女の作り上げた森を守るべく世界樹の根から移り住んだ全知の大蛇。

森に適応すべくその身を小さくしているが、その身体は世界をぐるりと一周してなお有り余る巨大さを持つ。

・守護者 リッチ

異界の森を守る守護者の一柱。

元々は一国に仕える不死の魔法使いだった。

人知を超える力を手にしたが悪用などせず、世のためにと考える善良な存在。でも見た目が怖い。

・守護者 ゴースト

異界の森を守る守護者の一柱。

ゴース、ゴースト、あるいはガストとも呼ばれる。突風の意を持つ空の精霊。

リッチと同じく、ある国の臣下だった。

極めて温厚な性格をしており、おおらかである。でも見た目が怖い。

・守護者 ゴブリン聖騎士

異界の森を守る守護者の一柱。正確にはゴブリン聖騎士団。

森の生態系を守り維持している――が、実は既に生きておらず全員が幽霊。

死してなお森を守らねばならないという一心で暗闇に満ちた森を巡回し続けている。もちろん見た目は怖い。

・守護者 イエティ

異界の森を守る守護者の一柱。雪の精霊、あるいは雪人。

毛に覆われた獣人や狼、ペンギンの見た目をしている。見た目は怖くないが気性は荒い。

雪の女王に仕える臣下であり、異界の森の一部に広がる雪原を守っている。

・守護者 雪の女王

異界の森を守る守護者の一柱。雪原の支配者。

数少ない魔女の生き残りであり、強力な氷魔法を操り天候をも変える力を持つ。

貴婦人の見た目をしており、「氷の貴婦人」として冬が訪れる慣用句として用いられるほど人族との親交が深かった。

ある事情により異界の森から出ることは無くなったようだが……。

・守護者 ミノタウロス

異界の森を守る守護者の一柱。地下迷宮に住まう強大なモンスター。

半人半牛の怪物としてある魔女に生み出された。異界の森の地下に広がる迷宮で様々な宝物を守護している。

剛腕を振るい数多の侵入者を屠ってきたため、人の世にも怪物として伝説が残るほど。

・守護者 ヒドラ

異界の森を守る守護者の一柱。ヒュドラとも。

多頭の竜でありながら、その特異な容貌からしばしばナーガと同じく蛇に分類されがち。

ある魔女の使い魔であり、大蛇でもなければただのドラゴンでもない炎の精霊である。

見た目に反して非常に理知的。


狭間の世界

・手紙の魔女

真名不明の魔女。数百年以上前に存在したリコフォス国に住まう学者だった。

ありとあらゆる魔法に関する知識を記録する重要な役割を担っていたが、人間の貴族と一部の魔法使いの企てによって、多くの魔女とともに地底世界へと追いやられてしまう。

地底世界から抜け出そうとするも、貴族たちからかけられた呪いと枯死の出現が重なったことにより狭間の世界へと閉じ込められ、モンスターと化してしまった。


用語集


・復活の奇跡

大陸全土で見られる祝福とも呪いとも云われる現象。

最古の奇跡は、宝石を求めて探索している冒険者が誤って煮えたぎる溶岩に落ちた時に起こったとされる。


誰にでも起こり得る現象とされているが、生きとし生けるものは一度の死で終わりであるため、おいそれと確認することは出来ず「奇跡」と呼ばれるに至る。

多くの者は復活の奇跡を経験すると欲望を叶えるべく手っ取り早く高額な報酬を得られる冒険者を選択するものの、国を守るために兵士や騎士になったり、復活の奇跡を称えて新興宗教を興す者もいる。

(※復活の奇跡が確認されると、殆ど者は国に登録されるため新興宗教自体も国に管理される事が多い)

かつて大陸では奇跡の仕組みを解明しようと試みた記録が残っているが、内容は完全にブラックボックスと化している。

・魔女

元は異界に住まうとされる、超常の力を操る存在。魔法の起源。

種族を問わず手を差し伸べ、干ばつがあれば雨を降らし、飢饉が起これば豊穣をもたらしたとされる。

時にある者を選定し超常の力を与えて困難を打破させたりと友好的な存在だった。

枯死と呼ばれる現象と真っ向から戦える唯一の存在でもある。


人族が栄え始めたのを機に、徐々に認知が薄れねじ曲がっていった。

現在では魔法を扱える女性を指し、蔑称としても使われる。

(※殆どは魔法使いや魔術師、魔導士といった名称を使う)

・世界樹

人の目に触れられるものは既に失われてしまった、世界の根幹を成す樹。かつては世界中に点在していた。

世界を世界たらしめる超常の力が流れており、幹のみならず、葉の一枚に至るまで何者にも侵されない力を持っていた。

葉から落ちる雫を通せば過去も未来も視ることができ、別の世界さえも覗けたという。

根を世界中に張り巡らせ、いつ何時であろうとも生ける者に豊穣の果実をもたらしたとされる。

現存している世界樹は隠蔽されており、所在は知られていない。

・魔王戦争

枯死と呼ばれる現象で変異した「魔王」と呼称されるモンスターが起こした大戦争。

時に単独で、時に周辺のモンスターを巻き込みながら種族を問わず襲った。

魔王たちは進む先々を蹂躙しながらも世界樹を目指し、その多くを破壊した。

世界樹の失われた土地は不毛な砂漠地帯となり、雨が降れど緑が芽吹くことのない死の土地へと変わり果てた。

・枯死

神々が地上と天上を自由に行き来していた太古より突如として現れた不可視の力。ウィザー(Wither)とも。

怒りや妬み、悲しみなどといった負の感情を増大させて理性を崩壊させる。

枯死の多くはモンスターを媒介としているが、意識ある者ならば例外なく枯死に侵食される恐れがある。

目に見えず、抗えず、絶望の象徴として恐れられてきた現象。

・リベストラ王国

広大な領地を持つ王国。大陸一番とも。

広大が故に本部を含む八箇所に冒険者ギルドを設置し、王国騎士団では賄えない王国外縁部の治安維持などをギルドへ公的に依頼している。

・王都ルフェクト

フィートとアレッサが冒険者登録をしているギルドのある場所。リベストラの中心地。

主に商業区と工業区で構成されており、リベストラ王国の象徴たる王城の城下でもある。

・冒険者ギルド

国家単位で管理されている人材斡旋組織。

名目上はそれぞれの国の管理下にあり、国ごとの法令によって運営されている。

主な目的は浮浪者や、準ずる者を登録し管理することで犯罪を抑制するかつての治安政策にあるとされる。

規定年齢(満十五歳)を満たしており、かつ就業のない者であれば定住居があり国民登録されている者でも冒険者登録は可能。実態としては国から兵力として数えられないが予備戦力として確保しておきたい、という認識がなされている組織でもあるため富裕層からは良い印象を持たれていない一面もある。要するに日雇いの労働者。

文字の読み書きや最低限の計算知識がない場合、身体的な理由で困難な場合を除き、ギルドによって運営されている教育機関で学ぶことも可能。その際に発生した費用については依頼達成報酬などから差し引かれる。

冒険者はギルド規定に従って一定期間のうちに決められた件数の依頼を処理しなければならず、罰則規定も設けられている。罰則は一定期間住民への無償奉仕や所属国家への奉仕(多くは騎士団の雑用など)が主となる。

それらもこなせない最悪の場合は、冒険者登録の抹消、一時的な再登録の禁止などもありうる。

※簡単な依頼ならばドブさらいといった清掃も存在するため、犯罪行為の無い限りは抹消はほとんど無い※

未開拓地域の調査依頼で強大なモンスターを討伐した、あるいは貴重な宝物を見つけた、という英雄的事例も少なくないため、昨今では一発逆転を狙える夢のある職業と見られることも多い。


殆どの冒険者はただの【冒険者】だが、依頼達成件数やギルド貢献度、国家への貢献度によって【ランク】が付けられる。

種別は上からA、B、Cの三種類しか存在しないが、ランクが付けられているだけで受けられる依頼の幅は大きく広がる。

ギルドへの依頼委託金の関係上、与信は避けられないため、いわゆる【ランク持ち】と呼ばれる冒険者でなければ引き受けられない依頼の選別として利用されている。一番下にあたるCランクでさえギルド職員の対応が変わるほどの効力を持つ。

一方で、BランクやAランクといった冒険者は所属ギルドのある国から指名依頼されるといった拘束力が発生するため、よほどの理由がない限りは冒険者を辞することも出来なくなるデメリットもあったりする。

余談だが、実はフィートはCランクの冒険者。


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