【錬金術師と魔女の旅路】マルチサーバー
ディスコード支部で開かれているマルチサーバーの新シーズン案内ページです。
実施中シーズンによって内容が変更される場合があります。
~現在サーバー移管中につき、Season7 Ver 1.12.2が同時稼働中です~
※Minecraft Java Editionをお持ちの方でなければ参加できません。
Alchemist and Witch's Server ~Season8 New Dawn~
本編内に登場する様々な要素のほか、スキルシステムや多数のクエストを実装してあるMODサーバーです。
Main MOD
魔法系
Ars Nouveau
Iron's Spells 'n Spellbooks
技術系
Immersive Engineering
Create
Tetra
Sub MOD
料理系、家具、収納系数種、スキル系などなど…
~Story~
「由々しき事態だ……」
王都冒険者ギルドからほど近い場所にある道具屋の前で安売りと書かれたポップを睨めつけ、悲しみよりも怨嗟の濃い声を漏らす小男が一人。
その頭には夕暮れ色のさらに小さな四足獣がだらりと腹を乗せ、心底面倒くさそうなため息を吐いていた。
「もう諦めたらぁ? アレッサ様も次の依頼行こうって言ってたしさぁ……」
人語を解せばぎょっとする者もいそうなものだが、人通りの多い冒険者ギルドの近くで雑踏ばかりであるからか、一人と一匹の会話は狭い空間を震わすだけだった。
「いやいやいや、もう二回も失敗してんだよ実質……これ以上は流石に僕のランクがヤバい……」
「エミス?」
「エミス」
「じゃあ一回じゃん」
「最初の発展は失敗じゃん! 急遽移住決まったって言ってたしさぁ!」
わっと声を上げたことで一瞬だけ周囲から視線が注がれる。
小男はただでさえ小さな身体を更に縮こまらせ、ヒソヒソと言った。
「同じエミスの街を発展させようとしてどっちも失敗しちゃったんだから、本格的にまずいんだよ本当に」
「それは……どっちもご主人さまが悪いわけじゃないじゃん」
「ステラが許してもギルドは許さないのさ。ま、ほんとに僕が悪いわけじゃないから、ギルドが許せないのは泥を塗られたことだろうけどさ」
店先に並べられた安物ポーションの瓶をつまみ上げ、興味なさげに見つめながら話す男に、ステラと呼ばれた四足獣は白々しい態度で一笑した。
「っはん……あんなの魔女じゃないもん」
「魔女じゃないだろうねぇ」
エミス、失敗、この単語が並べば、リベストラ王国――とまではいかずとも、王都の者なら合点がいくだろう。
王都拡張計画として大々的に打ち出された政策が、魔女を名乗る者の妨害によって中止になった大事件は、いまだ井戸端に花を咲かせている。
ましてや、その計画に駆り出されたのが冒険者ギルドのランク持ちたる錬金術師ともなれば話題性は抜群である。
「はぁぁ……ギルドが名誉のためにって参加冒険者たちの名前を秘匿してくれたのには、頭あがらないや……」
「だからって道具屋で油を売ってるわけね?」
「うわ!? って、アレッサ……」
急に後ろから声をかけられ、仰け反った勢いで手放したポーション瓶が男の手から離れた。それが地面に落ちるよりも早く、するりと男の頭から飛んだステラがぱくりと瓶をくわえて着地したのと同じくして、声をかけてきた人物に顔を向ける。
「アレッサ様、ご主人さまが楽な依頼ずっと探してるの」
「そんなものあるわけないでしょう……ほら、行くわよフィート、ステラ」
名を呼ばれ、ふっと背負う空気が軽くなった小男、もといフィートはステラがくわえた小瓶を受け取って棚へ戻すと、アレッサに向かって「どこに行くの?」と問う。
誰が言うともなしに足は自然と進み出し、二人と一匹は店先から街道へ。
「新しい依頼が来たわ」
「えぇ? 僕らにぃ?」
いかにも疑っていますといった表情をしてみせるフィートに、アレッサは意味深な笑みを返す。
「な、なにその顔」
「断れない相手からだから」
「そんな奴いるもんか。僕は偉大なる錬金術師にして孤高の冒険者……そして、第三支部所属のCランク――」
「――お父さんからの依頼よ。いえ……ここは大公と呼んだ方が分かりやすいかしら?」
「……はい?」
これは、錬金術師と魔女……そして冒険者たちがおりなす、日常物語。
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